缶スプレー塗装の基本
ちょっとテキストが長いですが、
初心者の方はぜひ覚えてください。
さて、今回は久々に缶スプレー塗装をやります。
基本ということで、小物を三点。
ドアモール左右と・・・内装の一部(何て言うのコレ?)。
今回は写真では解りづらいと思いますので、
テキストメインで読んでください。

まずは下地作りから。
♯1000くらいの耐水ペーパーでムラ無く研ぎあげます。
エッジの部分やくぼみ、段差などを残さないように
丁寧に磨いてください。
全体的にツヤが無くなればOKです。
もしキズがある場合はキズが消えるまで研ぎます。
この作業をアシ付けと言います。
次に下地作りの第二段、脱脂を行います。
写真のようなシリコンオフをスプレーしてふき取ることで
残っているWAXや油分(手の油とか)を除去します。
油分が残ると塗装をはじいてしまうので、
非常に大事な作業です。
台所用の中性洗剤でも代用できますが
泡を流すのにちょっと時間がかかります。

脱脂を行った後の作業では素手で
塗装面を触らないように注意が必要です。
それでは、塗装を開始します。
今回は簡易塗装なので省きましたが、
本来はここでサフェーサーを塗ります。
サフェーサーには細かいキズを埋めたり、
塗装の食いつきを良くしたり、
下地の色を消す効果があります。
サフェーサーを使用した後ザラザラになった場合は
もう一度ペーパーをかけて平らにしてあげるといいです。
塗装の前に缶スプレーをお湯(熱湯はダメ)につけて
暖めておくと、缶の内圧が一定になるので
塗りやすくなります。
特に寒い季節はやっておくといいでしょう。

一回目の塗装では薄〜く塗ります。
ここで、一箇所でもはじくところがあれば
脱脂をやり直す必要があります。

塗装は左〜右、左〜右という感じで
同じ方向にスプレーを移動させて塗ります。
くれぐれも左〜右〜左〜と行ったり来たりしないように。

また、缶スプレーは出始めを使用するとムラになるので
塗装物の少し手前から塗り始めて、
塗装物を完全に通り越してから止めるようにしましょう。
塗装物の一回り外まで塗る感覚が正解です。

一回目の塗装が乾いたら(20分くらい)、
二回目の塗装です。
今度はある程度色を載せないといけないので
一回目よりもスプレーを近づけ、
気持ちゆっくりとスプレーを動かして塗ります。
この距離とスピードこそが最大の難関です。
近づけすぎても、ゆっくりすぎてもタレます。
離しすぎたり、速すぎるとツヤが出ません。


何度も練習して自分の感覚を身に着けましょう。
三回か四回で下地の色がほとんど消えます。
もし、ザラつきがある場合は完全に乾かしてから
♯1000〜2000くらいのペーパーを軽く当てて
表面を整えることもできます・・・が、
可能な限りやらないほうがいいです。

サフェーサーを使った場合は二回目くらいで
同じくらいの色味になると思います。
こちらはガンメタリックグレイに塗装。
いわゆるガンメタですね。
メタリックの場合は非常にムラになりやすいので
距離とスピードを更に一定に保つ必要があります。
ソリッドよりも若干距離を離して塗るといいでしょう。
メタリックのツヤはクリアーで出すので
この時点では塗りムラのみに気をつけてください。

私はこの時点でツヤツヤにする癖があります。
五回目の塗装が終了した写真です。
もう完全に真っ白ですね。
下地が黒だったのでこれくらい塗らないと
キレイにならないと思います。
逆に下地が白だと三回くらいでOKです。

ソリッドは基本的にこれで塗装は完成です。
乾燥〜磨きでツヤを出します。

今回はついでなのでクリアーも塗ります。
こちらは四回塗って(塗りにくい部分があるので)
クリアーを吹いた状態です。
写真では解りづらいと思いますが
濡れたようなイイツヤが出ています。

この後最低一日は乾燥して、
コンパウンドで磨きます。
もしデコボコになった場合は
細かいペーパーをかけた後にコンパウンドで。
こちらもクリアーを塗りました。
このままでも十分キレイなのですが、
やはり乾燥させてから磨きます。
これが塗装の基本です。
缶じゃなくても基本的にやることは一緒です。
小物は比較的簡単なので入門には最適でしょう。
大きな平面を均一に塗るにはそれなりのテクが必要になりますので
まずは十分に練習してください。

たかおっちの旧HPにも塗装のDIYがありますので
そちらも合わせてご覧ください。