エアブラシを始めたいけど、もう一歩踏み出せない方へ。
 
どーも、たかおっちです。

早いもので七式ガンプラ部が活動を始めて一年と九カ月?余りが経過しました。
軽い気持ちで始めた模型製作ですが、気付けば完全に生活の一部になりましたね〜。
当初、倉庫の端っこでチマチマやっていた部活も
今では自宅の一部屋を完全に占領してしまっています。
コストをかけずに進める、というコンセプトは最早崩壊し、
今では模型を製作販売したお金を模型に突っ込むという自転車操業です。

まぁ、そんな私なんですが、このたび高級なコンプレッサーを購入しまして・・・
安いのと高いので何が違うのか?なんてのも少し解って来たみたいなんですよ。
で、せっかくなので、今から模型(ガンプラ)を始めたいという方の為に
ちょっとくらい役に立つ記事を書こうと思った訳です。

ベテランさんの意見ほど説得力は無いかもしれませんが
初心者目線でのアドバイスが役立つ事もあるかもしれないので
よければお付き合いください。

エアブラシ塗装のススメ

最初にみなさんに伝えたい事があります。
それは「エアブラシ塗装は難しくない!」という事です。
私自身もそうでしたが、筆や缶スプレーと違って
専用の設備が必要であるという点から、エアブラシは敷居が高く、上級者向けだと思っていました。

ですが、それは大きな間違いでした。
確かに、設備を揃える分初期投資金額は増えますが
塗装という点に絞れば、恐らく最も「簡単」です。
ちなみに一番難しいのが筆塗りです。
筆塗りは、ただ面を平滑に塗るだけでも難しく、
エアブラシと同じ質感を表現するのは熟練の技が必要です。
(筆には筆の独特の表現技法が有りますので、どちらが上という訳ではありません。)
缶スプレーは、私自身実車のパーツ塗装などでかなりの回数使っていますが、
塗装自体は慣れれば難しく無いものの、
コスト面では恐ろしく高くつきます。
缶スプレーでMGクラスのガンプラを数個作るコストで
安いコンプレッサーセットが買えそうです。

そんな訳で、模型塗装において、もっとも簡単で効率がいいのは「エアブラシ」塗装なのです。

エアブラシ塗装に最低限必要なモノは?

さて、エアブラシを始める決心が付けば、次はツールを揃えないといけませんね。

エアブラシ塗装を始めるに当たって、本当に最低限のツールというと
  1. コンプレッサー
  2. ハンドピース(エアブラシ)

この二つになります。
実際には二つを繋ぐホースや、塗料、薄め液などの消耗品が必要ですが
その辺は割愛します。
本当に塗るだけならこの二つで塗れちゃうんですよね〜。
でも、模型本なんかを読むと、他にも色々必要だって書いてありますよね。

例えばレギュレーター。
例えば水抜き。
例えば塗装ブース。

結論から答えますと、私は全て必要だと考えています。
これらのツールが何故必要なのか・・・
私の経験を踏まえて説明していきます。

エアブラシ塗装に+アルファで必要なモノ

ブログなんかで何度も書いていますが、
私が最初に購入したハンドピースはエアテックスの
KIDS-105Sというモデルです。



こんな感じのヤツですね。
これはエア缶と接続するタイプでして、コンプレッサーが無くても塗装ができます。
つまり、私はハンドピース+エア缶でエアブラシデビューした訳です。
レギュレーターや水抜きどころか、コンプレッサーすら無かったのですが
ちゃんとガンプラ二体を塗装して仕上げる事が出来ました。

・・・出来ましたが、実は問題点も多数ありました。
エア缶は非常に高圧でエアーを出しますので
感覚的には
色を作れる缶スプレー塗装に近いものでした。
確かに、自分で色を作れるのは缶スプレーと比較して大きなメリットです。
その代わり、圧が高いせいで繊細な塗装(グラデーションや細吹き)は困難でした。
更に、エア缶のコストが一本700円前後もします。
これではキット代より塗料代より、エア缶代が高くついてしまいます・・・

それならば・・・と、色々調べた末に
同じエアテックスの
APC001Rという安いコンプレッサーを購入した訳です。



既に絶版のモデルですが、初心者でも手を出しやすい価格(14000円くらい)で
レギュレーターがセットになっていました。
そう、
レギュレーターが付いているんです!

レギュレーターは、簡単に言うとエア圧を調正する為のモノです。
要するに
”コンプから出る高すぎるエアの圧を塗装に適した圧まで下げる”んですね。
コンプレッサーの最大吐出圧以下で塗装をしたい場合には必須です。

実際使ってみると解るのですが
ガンプラのように細かいパーツを一つずつ塗る場合
思った以上に低圧で塗装する方がメリットが大きいのです。
(もちろん高圧が必要な塗装方法もあります。)

と、いう訳でレギュレーターは必須、ですね。

次に水抜きですが、実はこれは大抵の場合レギュレーターの機能の一つとしてくっ付いています。
APC001Rも水抜き+レギュレーターです。
ただし、空気というのは圧縮すると結露しますので
最大吐出圧の高いコンプレッサーであればあるほど、水を吹きやすくなります。
APC001Rも比較的高圧なコンプレッサーで、水を吹きやすい、と聞いていましたので
写真に写っているエアテックスのハンドグリップフィルターを増設して水対策をしていました。

実際このセットで水を吹いた事は一度も無かったので
効果は非常に大きいと思います。

次に、
塗装ブースですね。
私も最初は窓を開けて換気すれば平気だろう、と考えていたのですが
塗装時間が長くなると呼吸もできないほどミストだらけになり、
気分が悪くなってしまいました。
塗装のミストも、使用する溶剤も、どちらも人体には有害です。
効率の良い換気は、室内での模型製作には必須だと思います。

私は市販品を購入しましたが、
コストを抑える為に自作する事も可能です。
換気扇とダンボールや衣装ケースで簡単に作れるようなので
DIYに挑戦してみるのもいいのではないでしょうか?



私が使っているのはこちらもエアテックスの
レッドサイクロンです。
価格は安いところでは12000円くらいですね。
塗装ブースは中古品もオークションによく出ていますので
そちらを狙うのもいいかもしれません。

改めて、エアブラシ塗装に最低限必要なモノは?

一回だけ、一回だけエアブラシを使いたい!と言うならともかく
定期的に塗装を行う場合で必要な物をまとめてみましょう。

  1. コンプレッサー
  2. ハンドピース
  3. レギュレーター+水抜き
  4. 塗装ブース

うん。結局これくらい必要なんですよ。
私も最初から全部用意すれば良かったなぁ・・・と思います。

一つ一つ確かめながら、必要なツールを揃えるのも楽しいんですけどね!
最終的に全部揃える事になるのなら
最初からセットになっている物を買う方が絶対にお得です。
届いたらすぐ使えますし。

では実際に何を買えばいいか、色々検討してみようじゃありませんか。

エアブラシセットを買おう!

一言でエアブラシセット、と言っても、種類が一杯ありすぎて軽くパニックですよね。
地道に調べて納得のいくものを買いたいのですが
そもそも使ってみないと解らない事が多すぎるのですよ。

そんな訳で、私が独断と偏見でパターン別にいくつか候補を挙げてみようと思います。


★フルセットコスト優先

ボークス 造形村エアテックス5 ver.2 (33500円+税)
<セット内容>
 コンプレッサー:エアテックス APC017R
 ハンドピース:造形村 プロモデルA
 レギュレーター:017R付属レギュレーター+ハンドグリップフィルター
 塗装ブース:レッドサイクロン
 その他付属:ウェーブ HGブラシハンガー

私がつい最近まで使っていた構成に非常に近いです。
廃番になったAPC001Rに代わって後継機のAPC017Rが採用されています。
高圧での使用が可能なのでメタリックやウレタン塗装にも対応できます。
水抜きもバッチリ。更にセットに塗装ブースが付属しています。
ダブルアクションの0.3mmハンドピースは汎用性が高く、長く使えると思います。
唯一の難点はAPC017Rの駆動音が比較的大きい事でしょうか。
レッドサイクロンもかなり音が大きいので、集合住宅での使用は工夫が必要かもしれません。
私が今から模型を始めるならこれを選びますね。


★長寿命&静音優先

GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサーL5 レギュレーター/プラチナセット (定価52000円+税)
<セット内容(全てクレオス製)>
 コンプレッサー:Mr.リニアコンプレッサーL5
 ハンドピース:プロコンBOY WA プラチナ0.3mm
 レギュレーター:Mr.エアーレギュレーターMk4+ドレン&ダストキャッチャー
 塗装ブース:無し
 その他付属:Mr.スタンド&トレイセットU

静粛性と耐久性に特化したクレオスの定番、リニアコンプレッサーL5のセットです。
同社の最上位ハンドピース、レギュレーターがセットになっており
非常に満足度の高い構成です。
定価はかなりの価格ですが、実勢価格は40000円+αと言ったトコロ。
惜しむらくは、塗装ブースがセットされていない点。
市販品を追加購入するとなると+10000円以上の出費になります。
造形村セットと比較するとその差約20000円・・・
又、リニアコンプレッサーはその構造上、低圧仕様な為、
高圧を必要とする塗装には向きません。
ガンプラをパーツ毎に塗る分には問題は無いと思いますが、
少しでも圧を稼ぎたい場合は上位機であるL7セットを検討する必要があります。


他にもタミヤのレボVセットなんかが価格的にお買い得なんですが
ちょっと中途半端な性能なのと、構成的に発展性に乏しいんですよね。
結局上記の2種類(もしくはL7を入れて3種類)を軸に検討する事になると思います。

価格差と後々の汎用性を考えると・・・ボークスをお勧めしたいのが本音です。
異論も多々あるのは承知ですが、
家族持ちのサラリーマンが数カ月お小遣いを節約して手が届くのは、こちらだと思うのです。
017Rの音と振動は防振ゴムや防振スポンジを下に敷けば随分マシになります。
又、ガンプラ以外のカーモデルをウレタンでツヤツヤにしたい時にも
有る程度高圧で使えるので便利です。

まぁ、このどちらかでないといけない訳ではないので参考程度に考えてくださいね。

初心者は選ばない方がいい・・・

ヤフオクで格安で売られているエアブラシやコンプレッサーを買ってはいけない・・・
見た目が有名メーカーと同じようでも、中身がB級、C級品な可能性が高く、
安物買いの銭失いになること請け合いです。

プロスプレーシリーズを選ばない方がいい・・・
吸い上げ式のエアブラシは非常に扱いが難しいので初心者は選ばない方が無難です。
エア缶での使用しか選択肢が無い場合は私も使っているKIDS-105Sがオススメです。

定格連続使用時間の短いコンプレッサーに注意・・・
定格連続使用時間が短いものは、一定時間使ったら電源を切って休憩させないといけません。
これが結構面倒です。
圧力スイッチが付いていれば、ON/OFFを自動でやってくれるので
ほとんど気にしなくていいのですが
そうで無い場合は注意しましょう。

いい物が欲しくなったら・・・!

世の中には他と比べて価格の高いハンドピースやコンプレッサーが存在します。
いい物は高い、のが世の常ですが
いい物を使えば上手に塗装ができる訳ではありません。
有名モデラーさんが全員高級ツールを使っている訳でもありません。

先日、私はエアテックスの最上位機種であるAPC007Cを購入しました。
非常に静かですし、安定した吐出圧は入門用コンプレッサーとは一線を画す性能だと思います。
更にハンドピースもドイツ製のコラーニを使っています。
二つ合わせるとすごい金額になります。
では、その金額分、模型の塗装に差が出ていると言えるでしょうか?

主観ではほんの少し、美しい塗装面を作りだす事ができるようになったと思いますが
塗っている本人しか解らないレベルだと思います。

じゃあ、何故わざわざ高い物を買ったのか・・・それは

単純に欲しくなったからです!

いや、ここまで長々と書いて最終的にこの答えはマズいと思うんですが・・・
めっちゃ本音なので許してください。
模型好きは総じてツール好きだと思っていますが
私もその一人です。
新しいものが出ると試したくなります。
より、いい物が欲しくなります。
これはもう避けられない道です(マテ

あ、ちなみにAPC007Cを買って一番良かった事は
振動がほとんど無いので家族の苦情が無くなった事ですね。



そんな訳で、非常に長くなりましたが最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
さぁ皆さん、お小遣いを節約してエアブラシデビューしましょう!


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